お知らせ (公社)生体制御学会第290回定例講習会に参加してきました
2018-06-06 08:12
東洋医学研究所
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平成30年6月3日(日)(公社)生体制御学会第290回定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加してきました。
(公社)生体制御学会第290回定例講習会

10:00〜10:20 第23回愛知県鍼灸生涯研修会開講式
第23回愛知県鍼灸生涯研修会開講式と、第22回(平成29年度)愛知県鍼灸生涯研修会における表彰が行われました。

ご挨拶をされる(公社)生体制御学会会長の皆川宗徳先生

 
代表で表彰状を授与される西田修先生

10:30〜12:00 
基礎生理学 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座      
愛知医科大学医学部生理学講座教授
岩瀬  敏 先生

今日は脳の基礎について御講義頂きました。
脳と脊髄から出る神経を末梢神経と言い、末梢神経には脳神経と脊髄神経があります。脳神経は12対、脊髄神経には、頸神経8対、胸神経12対、腰神経5対、仙骨神経5対、尾骨神経1対の計31対あります。その中で、脳神経は大切で、第?脳神経である三叉神経はV1眼神経、V2上顎神経、V3下顎神経と3つあり、重要です。
第?脳神経は嗅神経で嗅覚を司ります。嗅覚は特に記憶と情動に関連します。ヒトの安全に重要な機能であり、焼ける匂い、敵の匂い、食物の匂い、腐敗臭などを嗅ぎ分けます。嗅覚受容体は遺伝子の3%を占め、遺伝子の割合からみても特に重要な機能であることがわかります。
第?脳神経は視神経となり、ヒトの情報の90%を占めると言われています。近くを見るときは寄り眼になる動き(輻輳(ふくそう))、瞳孔が小さくなる、水晶体が厚くなるといった3つの調節が行われます。外眼筋の支配神経は、動眼神経がほとんどであり、その他に上斜筋は滑車神経、外直筋は外転神経の支配域になります。」とお話しして頂きました。


 
13:00〜13:50  
糖尿病の基礎と臨床   (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
社会医療法人八千代病院 内分泌代謝内科部長
藤井  徹 先生

今回は糖尿病に基礎について御講義頂きました。
糖尿病とは血糖値が高くなる病気になります。空腹時血糖値が126mg/dl以上、食後血糖値、ブドウ糖負荷試験2時間値が200mg/dl以上あれば、糖尿病が強く疑われます。戦後から糖尿病患者は増え続けており、現在は戦後直後と比べて10倍となっています。糖尿病、または糖尿病予備群は2000万人いると言われています。血糖値はインスリンによってコントロールされています。インスリンは膵臓から分泌されます。同じ肥満でも内臓脂肪が多い人と皮下脂肪が多い人では糖尿病になりやすいかどうかが大きく違ってきます。内臓の周りに脂肪がつく内臓脂肪型肥満の方のほうが糖尿病になりやすいことがわかっています。
また、2013年の熊本宣言により、糖尿病コントロール目標が変わり、HbA1c7%未満となっています。」とお話しして頂きました。


14:00〜14:50 
生活習慣病に対する症例報告及び症例検討
「糖尿病に対する鍼治療の一症例」
(公社)生体制御学会会員  
橋本 高史 先生

今回は、20年以上前に糖尿病を発症し、その後うつ病を発症、血糖値やHbA1cが高くなり、頭痛や耳鳴りなど種々の症状に悩まされていた女性に対し、週2回の治療頻度で半年間鍼治療を施したところ、HbA1cが安定し、うつ病の症状や糖尿病の自覚症状が改善された症例についてスライドを用いて詳細な報告がありました。
また、糖尿病の分類やHbA1cの目標値についても(一社)日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドラインの診断基準に基づいて詳しくお話しして頂きました。


 
15:10〜16:00 
鍼灸学校学生向け企画 スポーツ傷害に対する鍼治療
「スポーツ傷害と鍼治療」
早川治療院院長
早川 和浩 先生

「私はアメリカでベースボールの、日本ではバスケットボールや重量挙げのトレーナーをしていました。北京オリンピックも帯同していました。
私はアメリカでアスレチックトレーナーの資格を取り、その後鍼灸の免許を取りましたが、アメリカと日本ではトレーナーの意味合いが違います。アメリカでは治療をしません。トレーナーとしての仕事は、現場での交通整理のようなもので、怪我をした選手の応急処置をしたり、救急車を呼んだりして、その後復帰のお手伝いをするのが仕事です。現場での治療は難しいです。一方、日本ではマッサージなどで選手のケアをします。これはどちらも一長一短あります。
私はアメリカで現場での処置を学び、日本では治療院を開いて治療院に選手が通ってくれています。十分な治療は治療院内でしかできないと思います。
アメリカでの資格であるアスレチックトレーナーは残念ながら国家資格ではありません。医療系の資格がなければ採用されにくいのが現状で、セカンドライセンスといってよいです。ですから鍼灸やマッサージなどの資格を取ってからアスレチックトレーナーを目指して行くのが良いと思います。治療家としてスポーツでの怪我の治療をしたいのか、スポーツの現場での処置をしたいのか。自分のイメージするトレーナー像を整理する必要があると思います。今はチャンスの時代です。是非学びの場に出てほしいと思います。」と経験談からのお話をして頂きました。


 

16:10〜17:00 
名古屋市立大学睡眠医療センター認定 睡眠育成士認定講座(1)
「睡眠の基礎と臨床」      
名古屋市立大学睡眠医療センター長
中山 明峰 先生

今回は、【睡眠育成士】とは何かについてと、睡眠について御講義頂きました。
「現代社会の進化により子供たちのみならず、全国民の睡眠動態が悪化し、睡眠障害は社会的に大きな損失となります。
睡眠育成士は、睡眠衛生について学び、学んだことを非営利的に、情報を拡げることを目的とします。睡眠について正しく理解して頂き、睡眠育成士として、学校などの教育施設より眠育の要請があった際には積極的に応じていきたいです。
2017年の流行語大賞のノミネートに【睡眠負債】が入っておりました。【睡眠不足】ではありません。要は借金です。土日の休みに昼まで寝ている時点で【睡眠負債】です。それは認知症になるのも早まります。
睡眠は頭を休めるノンレム睡眠から入り、体を休めるレム睡眠へ移行し、約90分サイクルで、ノンレム睡眠−レム睡眠を繰り返します。そして、レム睡眠の間に記憶の定着が行われます。例として、徹夜で勉強して、試験を受けて、その後短時間の昼寝をしてもレム睡眠を経ないと記憶には残りません。ですから、仮眠ではない睡眠時間が必要になります。
不眠の治療は、まず患者の話をよく聞き【眠れない】についても、寝つきが悪いのか?夜中途中で目が覚めるのか?早朝覚醒なのか?また活動している間はどのような生活を送っているかなど、きちんと患者の状況を把握した上で睡眠衛生指導を行い、必要に応じ、薬を処方するということが大事です。昼間に体を動かしていないと夜眠れるわけがありません。携帯電話の充電と同じで、バッテリーが残っている状態で充電しているとバッテリーの寿命が短くなります。バッテリーが残り少なくなってから充電をする方が良いという事と同じです。
そのためには体を動かすことの方が睡眠薬や安定剤に頼って服用するよりもずっと良いと思います。先生方には正しい指導、アドバイスができるようにしっかりと勉強していただき、睡眠育成士として正しい情報を大いに世間に伝えてほしいと思っています」とお話しして頂きました。







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