公益社団法人生体制御学会第30回記念講演
2012-09-01 15:35
東洋医学研究所
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平成24年8月26日、名古屋市立大学医学部講堂(図書館3階)にて行なわれた、第30回公益社団法人 生体制御学会学術集会において、東洋医学研究所?所長黒野保三先生が第30回記念講演「健康と長寿 自己管理と東洋医学」と題して講演されました。






 人はほとんどの方が健康で長生きをしたいと願っています。健康はここにあるマイクやお茶のように物ではなく見ることもできないので、まず健康とは何かを話す必要があります。
  私が鍼治療の際に患者さんに話している健康とは、「よく動けて、よく食べられて、よく眠れること」であります。健康のために一番大切なことは自己管理です。私は自己管理の中で歩くことがお金もかからず、一番良い方法だと思い、1日7000歩を目標に実践しています。私は9月4日で満82歳になりますが、今まで健康を保つことができたのは散歩のお蔭だと思っています。私は毎朝4時に起床して、5時半頃に散歩に出発し、1時間程歩いてきます。朝の空気は新鮮で、車通りも人通りも少なく、爽やかな気持ちで歩くことができます。その際の歩き方ですが、私はロンドンオリンピック100m・200m走で金メダルを獲得したウサイン・ボルト選手に習い、踵を先につけて歩く従来の歩き方ではなく、つま先から着地して歩くようにしています。そして、鍼治療している時や立っている時は、踵はつけずに、紙一枚程浮かした状態で訓練しています。
 日常生活では、江戸時代は非常に健康に良い生活をしており、その一つが畳文化です。まず畳の部屋は食事ができる、居間にもなる、そして寝室にもなる効率の良い空間です。また、自然と正座の生活になり、正座を日常的にすることで足腰が鍛えられて健康で長生きをする助けとなります。椅子の生活では畳の生活と違って足腰を鍛えることはできません。
  散歩や立ち方、畳の生活による正座など、日常生活の中に健康になることを取り入れることが大切になります。

 日本の鍼灸医学の歴史を紐解くと、明治8年に医師法が成立するまで日本の医師は鍼治療を主に行っていました。私は現在でも鍼灸治療を施すには医療家としての鍼灸が良いと思っています。
  私達が鍼治療をしていると、長く継続している患者さんは年齢よりも若く見え、健康な体を保っています。
  なぜ、鍼治療を続けると健康でいられるのか?本当にそうなのかな?と私は思い、マウスの一生に鍼治療をしたところ、鍼治療を継続したマウスは見た目も健康的で、組織学的にも健康な体を保っていました。
  また、鍼治療で免疫力が高まることを10年かけて研究して証明し、最新の研究では、鍼で副交感神経が高まることを証明しつつあります。
  このように鍼治療は健康に関してさまざまな良い効果があります。中でも東洋医学と近代医学の一番の違いは、病気にならないように治療ができることにあります。鍼灸の古典には『未だ病まざる病を治す』と鍼灸治療が病気の予防に対して効果があることが書かれており、健康維持に鍼治療が良いことであると考えております。

 
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