平成24年10月7日(日)
(公社)生体制御学会第260回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
9:30〜10:20 基礎生理学
「感覚受容器と閾値」
(公社)生体制御学会理事
(公社)生体制御学会経理部長
(公社)生体制御学会研究副部長
甲田久士 先生
今回の講義では、鍼治療の基礎となる刺激についてのお話を頂きました。
「人間に自らに備わっている感覚受容器(目、耳、鼻、舌、皮膚)が刺激を受け取ると、電気的変化を起こし、その興奮が知覚神経を通し、大脳のそれぞれの感覚中枢に伝えられ、ここではじめて感覚として成立します。
感覚受容器には閾値(感じ取れる最低の刺激の強さ)があり、刺激が持続すると閾値が次第に高くなり、刺激に対する感度が低下します。これを順応や慣れといいます。
鍼刺激は、感覚受容器の中の痛覚の刺激伝道路である痛覚は、侵害受容器の一つであるポリモーダル受容器によって伝達されます。
そのため、適切な刺激量というものが大事になります。鍼を使った研究においても、ラットの精巣ポリモーダル受容器や筋ポリモーダル受容器の機械刺激に対する反応の実験を行ないました、20gの筋膜上刺激を5回繰り返し与えたところ、反応性は安定していましたが、60gの筋膜上刺激を与えた場合では、5回の繰り返し刺激による反応性は減弱していることが確認できたのです。この結果から、適切な刺激が20gだということが認められています。」
最後に「より良い治療を行うためには、最良の刺激を与えること、適刺激を明確にすることが重要であります。」とお話して下さいました。

1/4

検索

カテゴリ

月別アーカイブ
東洋医学研究所