(公社)生体制御学会第262回定例講習会に参加しました
2013-02-09 11:09
東洋医学研究所
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10:30〜12:00 痛みの基礎 (社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
「痛みとこころ」

名古屋市立東部医療センター名誉院長
(公社)日本女医会会長
津田 喬子   先生

今回は、痛みと心の密接な繋がりについて教えていただきました。
1644年にデカルトが痛みの経路について言及し、20世紀後半には痛みの経路がほぼ解明されました。現在はfMRI(機能的磁気共鳴画像)を用いて脳と痛みについて研究がさかんに行われています。例えば、脳には痛みを感じた時に反応する場所があります。また、痛そうな画像、注射している画像などを見せると「痛みを感じた時に反応する場所」が同じように反応することがわかっています。痛みと心は切っても切れない関係にあることが研究でもわかってきています。
また、痛みは感覚的側面と情動的側面の両方を持っています。感覚的側面の痛みは比較的わかりやすいのですが、情動的側面の痛みは訴えても非常に伝わりにくいものです。身体的痛みの他に疎外感、ねたみ、不公平な扱いを受けたときなどは痛みが強くなり、身体的喜び、よい評判、慈善活動などは幸福感が得られ、痛みの感じ方が弱くなったり、なくなったりすることがわかっています。そして、痛みのしくみには脳と心が密接に関連していることを痛みの治療に従事する医療者は理解することが重要です。痛みの治療で重要なことは次の4つであるとおっしゃられました。
1.主体を患者さんにおき、患者さんの話をよく聴くこと。
2.患者さんと話しあうこと。
3.治療を通して治療者は患者と、患者は自分自身と向き合うこと。
4.痛みの意味、新しい自分を見つけること。
というように、患者さんのことを第一に考えて、患者さんの心の持ち方を正しく導けるようにすることが重要であるとのことでした。痛みは何かに熱中したり、楽しむ工夫を身につけていくことで、無意識に痛みを忘れ動きやすくなります。痛みがあって日常生活に影響が出ることがありますが、痛いから動かないのではなく、その痛みに対する考え方を改めることが大切なのです。
また、2012年の最新の腰痛ガイドラインにおいても、ストレスを減らす認知行動療法の大切さが書かれています。また、腰痛の大部分が画像検査は必要ないことが書かれており、これは患者さんときちんと話して問診から腰痛の原因を探り、徒手検査によって腰痛の原因を特定していくことが大切であることを教えていただきました。

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